少女漫画(しょうじょまんが)は、少女雑誌に掲載されるなど、主たる読者として若年(未成年)の女性を想定した日本の漫画。実際には大人女性にも幅広く読まれている分野でもある。
歴史的には海外にも発生し、海外女性向けコミックの一部として少女向けの作品も存在するであろう。しかし少女向けの出版分野としては、途中消滅(1970年代フランス)したりして、20世紀に大きな分野発展を遂げたのは日本である。
絵柄としては可愛らしい・綺麗・清潔な印象を与えるものが多い。作品世界の情趣を大切にして、目の毒になるものをリアルに描き込むことは避け、モノローグの多用、心象を具象化した背景、コマ割りなどを駆使し、感情の流れを重視した演出・画面技法に優れる。立体感、動きを表現したり視点を頻繁に変更したりする絵は比較的少なく、必要最小限の描写に留められている。また、少年漫画と比較すると、心理描写が多く、現実問題を扱った作品が多く、暴力や死の扱いが重い(少女漫画の主旨が共感であることに由来するともいう)。
少女漫画は青年漫画や映画的手法の影響を大きく受けており、伝統的な少女漫画の系統によらない表現手法も含んでいる。逆にまた、少女漫画からは特有の記号的表現が過去に多く誕生していて、現在は少女漫画にとどまらずに全ての分野に拡散している。
2000年代以降は恋愛漫画及び恋愛要素のある作品が主流で、女性の自立、フェミニズム等のメッセージを含ませた漫画も存在する。ファンタジー漫画やスポーツ漫画なども古くからジャンルとして確立しており、現在に至るまで人気が根強い。なお、ギャグ漫画やホラー漫画など恋愛要素をほとんど含まないジャンルも存在し、少年漫画や萌え絵にはない独特の手法が使われている。ファンタジー・スポーツ・恋愛・ギャグ、各分野で大ヒットを飛ばした歴史がある。女性向け少年漫画という派生ジャンルも生んだ。
高島武彦|
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